クラウド環境の運用保守においてはスピードや柔軟性を活かしつつ、セキュリティと安定性を確保するためのリスク対策が不可欠です。
まず想定されるリスクのひとつは、アクセス権限の管理ミスです。
クラウドではリソースへのアクセスが分散しやすく誤った設定によって不要なユーザーに権限が付与されると、情報漏洩や操作ミスにつながります。
これを防ぐにはIAMによる厳格な権限設計と、定期的なアクセスログの監査が必要です。
次に注意したいのがコスト管理のリスクでリソースの無駄な増加やスケーリング設定の不備により、予想外の請求が発生することがあります。
これには予算アラートや自動停止機能を導入し、日常的なモニタリングと分析を欠かさない体制が求められます。
クラウド環境ではシステム構成が頻繁に変化するため構成管理やバージョン管理を徹底しなければ、トラブル発生時に原因特定が困難になります。
そのため、InfrastructureasCodeの導入や自動化ツールの活用が有効です。
障害対応に備えてバックアップポリシーの整備とリストア手順の訓練を行うことも、運用保守の基本といえます。